東京地方裁判所 平成元年(特わ)1073号 判決 1990年2月23日
本店所在地
東京都新宿区西新宿三丁目七番二六号
株式会社丸洋興発
(右代表者取締役 四宮亮一)
本籍
熊本県熊本市迎町一丁目一二八番地
住居
東京都昭島市中神町六四七番地三
会社役員
四宮亮一
昭和九年七月二一日生
右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官渡辺咲子出席の上審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社丸洋興発を罰金二八〇〇万円に、被告人四宮亮一を懲役一年に、各処する。
被告人四宮亮一に対し、この裁判の確定した日から四年間、右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社丸洋興発(以下、被告会社という。)は、東京都新宿区西新宿三丁目七番二六号に本店を置き、不動産の売買及び仲介等を目的とする資本金一二〇〇万円(昭和六一年四月二六日以前の資本金は三〇〇万円)の株式会社であり、被告人四宮亮一(以下、被告人という。)は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の支払手数料を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、昭和六〇年四月九日から同六一年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三億二四七一万三六七一円(別紙1修正損益計算書参照)であつたのにかかわらず、昭和六一年五月三一日、東京都新宿区北新宿一丁目一九番三号所在の所轄淀橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五二〇九万五八九五円で、これに対する法人税額が三二五七万五九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成元年押第八一九号の1)を提出し、もつて、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一億三九六一万六七〇〇円と右申告税額との差額一億七〇四万八〇〇円(別紙2脱税額計算書参照)を免れたものである。
(証拠の標目)
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する供述調書四通
一 宮本清、楢林丘至(謄本)、楢林堯典(二通、謄本)、堀義雄(二通、謄本)の検察官に対する各供述調書
一 収税官吏作成の次の各調査書
1 売上高調査書
2 受入手数料調査書
3 仕入高調査書
4 支払手数料調査書
5 役員報酬調査書
6 給料手当調査書
7 保険料調査書
8 旅費交通費調査書
9 通信費調査書
10 交際費調査書
11 租税公課調査書
12 雑費調査書
13 特別損失調査書
14 交際費限度超過額調査書
15 受取利息調査書
16 雑収入調査書
17 支払利息調査書
一 収税官吏作成の領置てん末書
一 商業登記簿謄本
一 押収してある被告会社の昭和六一年三月期の法人税確定申告書一袋(平成元年押第八一九号の1)
(法令の適用)
被告会社について
一 罰条
法人税法一六四条一項、一五九条一、二項
被告人について
一 罰条
法人税法一五九条一項
二 刑種の選択
懲役刑を選択
三 刑の執行猶予
刑法二五条一項
(求刑 被告会社につき罰金三〇〇〇万円、被告人につき懲役一年)
よつて、主文のとおり判決する。
(裁判官 稲田輝明)
別紙1
修正損益計算書
株式会社丸洋興発
自 昭和60年4月9日
至 昭和61年3月31日
<省略>
別紙2
脱税額計算書
株式会社丸洋興発
自 昭和60年4月9日
至 昭和61年3月31日
<省略>